作品は、柔らかく繊細な描線と独特の色使いが特徴で、都会的で洗練された雰囲気を持つ。
版画家としてはすでに一家をなしていたが、編集者・安原顯の依頼により1984年〜1985年にかけて『マリ・クレール』に連載された吉本ばななの小説『TUGUMI』の挿画を手がけ、単行本化されると表紙絵も担当。同書が累計167万部ものベストセラーとなり、山本の名前も広く知られるようになる。(なお、安原はこの売上げの多くは、山本の挿画の魅力によるものだと語っている。)
それ以降、多数の書籍の装丁や挿画、アクセサリー、食器、舞台衣装のデザインなどの幅広い分野の作品を発表している。
また、美術以外の分野でも、旅行、音楽などについての挿画を交えたエッセイを多数出版しているほか、1999年のネスカフェ・ゴールドブレンドを初めとするCM出演や、2005年のベストジーニスト受賞など、その活動は精力的で、多岐にわたる。
愛犬家としても知られ、2007年2月11日に開設された公式ウェブサイトは、かつての愛犬の名を取ってLUCAS MUSEUMと名付けられている。
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展示されている作品は、一番最初に制作されたもので、版画によく書いてあるナンバー、○○/○○.がありません。
いわば原画ということらしいです。
看板やパネルなどの展示作業が終わってから、チェックのために東京のルカス事務所の方がお見えになり、お会いして少しだけお話しさせていただきました。
私たち看板屋は、看板というのはだいたいが遠く離れて見るので、画像は多少荒くても気にしていませんでしたが、ルカス事務所の方は、「山本容子さんの版画は線が命です。線がきれいに見えないとだめです。」
ということで、高解像度のデータで出力いたしました。(1枚の画像データは100〜200MBあります)
初めての経験でした。